大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和28(あ)624 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人Bの弁護人長谷川勉及び沢荘一の上告趣意第一点について

所論は訴訟法違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。そして

刑訴三二八条にいう証拠は被告人、証人その他の者の供述の証明力を攻撃する資料

に止まり、同法三二一条乃至三二四条の規定で証拠能力が認められていないもので

あつて、犯罪事実を認定するための刑訴三三五条の証拠の標目として掲記すべきも

のではないから、第一審判決が所論Aの供述調書を証拠の標目中にかかげたのは失

当たるを免れないこと所論のとおりである。しかしながら本件において所論供述調

書を除いてもその余の挙示の証拠で判示事実は優に認定することができるから、か

ような場合には刑訴四一一条を適用すべき事由となすに足りないこと当裁判所の判

例とするところである。されば第一審判決を維持した原判決の判断も結局において

正当であつて論旨は採用できない。

同第二点同第三点は何れも刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。また記録を調

べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和二九年七月七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

- 1 -

裁判官 谷 村 唯 一 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!